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松井 裕哉; 見掛 信一郎; 池田 幸喜; 筒江 純
第46回岩盤力学に関するシンポジウム講演集(CD-ROM), p.286 - 291, 2019/01
日本原子力研究開発機構は、文部科学省, 経済産業省, 原子力規制委員会の第3期中長期目標に基づく研究開発を平成27年度から進めている。この一環として、岐阜県瑞浪市の瑞浪超深地層研究所の深度500mに掘削した研究坑道終端部において、再冠水試験と称する坑道周辺の地質環境の回復状況を把握・評価するための原位置試験を行った。さらに、この試験のために構築した止水壁の内外に設置した圧力や変位に関する各種計測機器により、冠水前・中・後のそれらの変化をモニタリングした。本報では、それらの計測結果を基に、再冠水試験に伴う止水壁の状態変化を推定した結果を報告する。
松井 裕哉; 見掛 信一郎; 池田 幸喜; 佐々木 定雄
第14回岩の力学国内シンポジウム講演論文集(インターネット), 6 Pages, 2017/01
日本原子力研究開発機構は、文部科学省・経済産業省・原子力規制委員会の第3期中長期目標に基づく研究開発を平成27年度から進めている。この一環として、岐阜県瑞浪市の瑞浪超深地層研究所では、深度500mに掘削した研究坑道終端部において、再冠水試験と称する坑道周辺の地質環境の回復状況を把握・評価するための原位置試験を進めている。この試験のため、研究坑道内に地下水の圧力を保持するための止水壁を構築すると同時に、温度・圧力及び変異に関する各種計測機器を止水壁内外に設置し、冠水前後のそれらの変化をモニタリングした。その結果、構築した止水壁は、最初の冠水時に、施工不良部からの漏水が生じその補修を行ったものの、補修後の冠水では当初の止水壁の設計コンセプトが概ね満足され、水圧の保持機能が発揮されていることを確認し、平成28年3月より再冠水試験に移行している。本報では、止水壁の設計・施工・計測と計測結果に基づくその機能評価の概要を報告する。
大岡 誠; 前川 康成; 富塚 千昭; 村上 知行*; 片桐 源一*; 尾崎 博*; 河村 弘
JAEA-Technology 2015-003, 31 Pages, 2015/03
東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた取組みが現在すすめられている。燃料デブリ取り出しのために、格納容器内を水で満たす必要があるが、いくつかの号機では冷却水の漏えいが存在し、漏えいを止めることが最重要課題になっている。福島廃炉技術安全研究所では光硬化樹脂を用いた止水方法を検討している。紫外線照射によって硬化する材料(光硬化型樹脂)を冷却水に混ぜ格納容器の損傷部に到達させ、漏えい箇所出口にて紫外線を照射して光硬化型樹脂を硬化させ損傷部を閉塞するものである。しかしながら光硬化型樹脂は元々コーティング、または塗装剤として使用されるものであり、漏えい止水への適用性は未知である。本稿は、光硬化型樹脂の水中での基本的な硬化性能を把握し、漏えい止水への適用性を検討した結果を報告するものである。
深谷 正明*; 畑 浩二*; 秋好 賢治*; 佐藤 伸*; 竹田 宣典*; 三浦 律彦*; 鵜山 雅夫*; 金田 勉*; 上田 正*; 戸田 亜希子*; et al.
JAEA-Technology 2014-040, 199 Pages, 2015/03
超深地層研究所計画における工学技術に関する研究は、大きく分けて、(1)「研究坑道の設計・施工計画技術の開発」、(2)「研究坑道の建設技術の開発」、(3)「研究坑道の施工対策技術の開発」、(4)「安全性を確保する技術の開発」および、(5)「掘削影響の修復・軽減技術の開発」の5項目に分類して進めている。これまでは、「第2段階」の調査研究として、研究坑道掘削工事で取得される計測データや施工データを用いた評価に基づく設計の妥当性についての検討などを中心として進めてきた。本研究は、「掘削影響の修復・軽減技術の開発」の一貫として、深度500m研究アクセス北坑道における再冠水試験のための止水壁に関する検討を実施した。具体的には、止水壁やプラグに関する国内外の文献調査を実施し、この結果を基に、設計条件の検討、解析による止水壁躯体の設計と岩盤安定性の評価、主な部材の材料選定、止水グラウトの検討などを実施した。
高治 一彦; 鈴木 英明*
JNC TN8400 99-041, 76 Pages, 1999/11
緩衝材には、止水性、自己シール性、核種収着性、熱伝導性、化学的緩衝性、オーバーパック支持性、応力緩衝性等が長期にわたり維持されることが期待されている。これらの機能を比較的満足し得る材料として、天然に産する粘土が注目され、中でも圧縮されたベントナイトは、非常に低い透水性による水の動きの抑制、水の浸潤に伴い膨張し圧縮ベントナイト中の間隙や隣接する岩盤中の割れ目への充填、陽イオン核種を収着する陽イオン交換能を有している等の点で優れており、緩衝材として最も有力であると考えられている。サイクル機構では地層処分研究の一環として、人工バリア技術開発および安全評価の基礎データとするために緩衝材の特性に関する研究を進めている。本報告書は、緩衝材としての圧縮ベントナイトの力学特性の把握を目的として、圧裂試験、一軸圧縮試験、一次元圧密試験、圧密非排水三軸試験、圧密非排水三軸クリープ試験についての手順、試験条件、結果および考察について、これまで取得されていなかった物性や、既報を補完するための追加試験等に関してまとめたものである。圧裂試験結果よりケイ砂混合率、乾燥密度と引張強度の関係等、一軸圧縮試験結果より含水比、乾燥密度と一軸圧縮強度、弾性係数の関係等、一次元圧密試験結果より圧密応力と間隙比の関係等、圧密非排水三軸試験結果より有効拘束圧毎の応力経路等、圧密非排水三軸クリープ試験より、載荷応力毎のひずみ速度の経時変化等を把握することができた。
深沢 栄造*; 田中 益弘*; 山本 博之*; 平 和男*; 山本 正明*; 奥津 一夫*; 羽根 幸司*; 青柳 孝義*; 森川 誠司*; 古市 光昭*
PNC TJ1100 98-007, 60 Pages, 1998/02
TRU廃棄物は、高レベル放射性廃棄物と比較して発生量が多いが、発熱性があるものが少ないため、深地層中に大空洞を掘削して処分することが合理的である。またTRU廃棄物は、半減期が十万年以上の核種を含有するため、長期間にわたりこれを人間環境から隔離することが要求される。本研究では処分システムの長期健全性に係わる重要事象の検討と、大空洞処分技術の開発、及び設計研究を実施した。本年度の研究成果を以下に示す。1)平成7年度及び8年度に抽出・検討した事象について、漏れがないことを他研究の成果を踏まえて再検討した上で事象を整理した。また抽出された各事象に対する現状の知見、設計の考え方、課題・対応を整理し、今後の検討の方向性を明確にすることができた。2)人工バリア材の体積変化に対するシステム健全性評価の一環として、人工バリア材料のうち、ベントナイトの周辺に空隙が発生したことを想定し、飽和ベントナイトの自己シール状況の把握と止水機能の確認及び体積変化後の密度分布変化を調べた。また、自己シール性確認実験を補完することを目的に飽和ベントナイト試料に対する膨潤試験を行った。これらの結果を基に、人工バリア材の体積変化に対するシステム健全性の評価を行った。3)処分システム閉鎖直後の状態を想定し、不飽和状態における底部ベントナイト層の変形挙動ならびに支持力評価を行った。また、平成7年度に実施した飽和状態における変形挙動に関しても再検討を行った。4)平成8年度の委託研究で調査した「大久保モデル」を用いて試解析を実施し、大空洞の処分システム成立性の見通しを検討した。5)ナトリウム型ベントナイト単体、カルシウム型に変質させたベントナイト単体、天然のカルシウム型ベントナイト単体およびカルシウム型に変質させたベントナイトにケイ砂を混合した材料に対し、飽和水酸化カルシウム水溶液を通水させた系で膨潤圧、透水係数を試験により取得した。6)これまで処分システム設計で考慮しているいくつかの処分方式に対し、数値解析法により空洞の安定性を評価した。解析結果により得られる変形、緩み領域を用いて構造的安定性の評価を行うことができた。
not registered
PNC TJ1559 95-001, 218 Pages, 1995/03
本研究は、岩盤物性と地殻応力に関する研究の一環として、結晶質岩系の花崗岩についての岩盤工学の基礎的研究、すなわち岩盤応力、岩盤の長期安定性および岩盤割れ目の透水性や止水性の変化、岩盤内単一不連続面の基本的特性に関する原位置(釜石原位置試験場)や、室内での試験に基づく基本的・理論的な研究を行うものである。「岩盤内割れ目の透水性および止水に関する研究」では、釜石原位置試験場で二つの試験孔を使用し、二つの新材料を用いて試験を行った。その結果、材料については、MC+カオリンと試験的に用いたスーパーファスナー(SF)ともそれぞれ有効な材料であることが確認された。但し、強度に関しては、前年のシリカヒュームを添加した材料に遠く及ばず、セメントの強度に近づけるためシリカの添加を考慮した試験の継続が必要である。また、ルジオンテストの結果1オーダー以上のルジオン値の改善が確認され実用化への前進が図られたと判断出来る。「花崗岩の圧縮破壊過程におけるき裂の進展に関する研究」クリープ試験における岩石の力学的特性を詳細に把握し、さらに一軸圧縮載荷後およびクリープ載荷後の試験片について顕微鏡観察用薄片を作製し、岩石の内部構造(空隙、亀裂)の変化について画像解析を行って定量的に把握し、総合的に検討した。「坑道周辺岩盤の力学的状況の精密調査」では、諸計器の開発、室内試験を経た上で、釜石原位置試験場250mレベルの花崗岩閃緑岩中の坑道において、諸計測を行った。地圧測定については、下向きの測定が可能な孔壁変形法を開発することにし、その現場試験を行い能率よく作業を進められる見通しを得た。岩盤の表面に現れた開口き裂の性状測定については、その深度を測るために開発した弾性波の初動極性の変化を利用する方法は有用であることが分かった。また、弾性波速度分布の測定から、き裂の密度に関する情報が得られる可能性が見られた。「岩盤内単一不連続面の基本的特性に関する研究」では、花崗岩中に作成した人工的不連続面を用い様々な条件下で先行履歴を与え、その試験体を用いて様々な条件下でShear-FlowCoupling実験を行った。先行履歴での垂直応力、せん断変位により不連続面での影響度を調べた。新しい方法で自然の不連続面を用いて、Shear-FlowCoupling実験、AE計測を行い、自然の不連続面の力学的特性と透水特性、およ
not registered
PNC TJ1559 94-001, 153 Pages, 1994/01
本研究は、岩盤物性と地殻応用に関する研究の一環として、結晶質岩系の花崗岩についての岩盤工学の基礎的研究、すなわち岩盤応力、岩盤の長期安定性および岩盤割れ目の透水性の変化に関する、原位置(釜石原位置試験場)や室内での試験に基づく基礎的・理論的研究を行うものである。「岩盤内割れ目の透水性及び止水に関する研究」では、従来の試験で、割れ目に地下水が充満している場合、あるいは流動している場合、注入材が注入されて水と遭遇すると設計比(水セメント比)が大きく変化し設計通りの固化が行われず、信頼性に欠ける点が指摘された。そこで、平成5年度は充填材(グラウト材)の選定・改質をはかる実験を行ない、新しい固化材の効果を確認した。「岩盤の疲労特性に関する実験的研究」では、繰り返し載荷試験、すなわち疲労試験における岩石の力学的特性の変動を把握するとともに、岩石が繰り返し載荷により受けるダメージを弾性波の伝播速度により定量化することを試みた。「坑道周辺岩盤の力学的状況の精密調査」では、坑道周辺の岩盤内の地圧の分布や緩みの状態等を精密に把握する方法の確立を目的として、かぶりが600mある250mレベル坑道の日峰分岐付近において、坑道周辺の地圧分布とき裂深さに関する測定を実施した。「単一不連続面のShear-FlowCoupling特性試験」では、人工的不連続面にある一定の条件の下で履歴を与えたサンプルを試験体とみなし、Shear-FlowCoupling実験を行った。そして、その諸特性を調べることによって現場の岩盤不連続面の応力-変形の履歴、及び各要素の影響について基礎的に検討した。「ボーリングコアを用いた高信頼性三次元地圧計測法の開発」では、実験室におけるガラスモデルを用いた基礎的研究ならびに釜石鉱山250mレベルの石灰岩コアについて変位測定装置を用いた非弾性変位回復に基づく地圧計測を行い、高信頼性三次元地圧計測法の開発の研究を進めた。
五月女 敦; 原 啓二
PNC TN8410 92-332, 69 Pages, 1992/10
処分場立坑は、廃棄体の定置後、埋戻し材、プラグ、グラウト等によって地層が本来有している性能に影響を及ぼさないようにシーリングしなければならない。本報告書は、プラグ長、プラグ個数、グラウト長等をパラメータとして有限要素法を用いた立坑周辺の地下水流動解析と核種移行解析を実施し、シーリングシステムに関する検討を行ったものである。検討の結果、主に以下のようなことが分かった。1.立坑を理戻し材のみによりシーリングする場合、周辺岩盤の緩み域の特性によっては立坑周辺が核種の移行経路となる可能性があるため、緩み域に対する止水性を確保するためプラグ等を併用する必要がある。2.地下水流動解析の結果、プラグ長による止水性の効果はあまり期待できない。3.立坑内に数個のプラグを設置することにより緩み領域、埋戻し部の地下水流速を低減することができる。4.シーリングシステムとしてプラグ、グラウト、埋戻し材を適切に組み合わせることにより 核種移行の遅延効果、低減効果が期待できる。
藤田 朝雄; 杉田 裕; 納多 勝; 幾世橋 広*
PNC TN1410 92-052, 25 Pages, 1992/09
高レベル廃棄物の地層処分における緩衝材には止水性,核種吸着性,膨潤性,熱伝導性など多くの性能が要求される。現在までのところ、これらの要求性能の多くを満足するものとして圧縮ベントナイトが有望な候補材料と考えられている。動燃事業団では、人工バリア技術開発および性能評価の基礎データとするために圧縮ベントナイトの物理的,化学的特性について研究を進めている。本報告は、圧縮ベントナイトの基本特性データの取得整備の一環として、熱物性値(熱伝導率,比熱)の温度,飽和度依存性についてまとめたものである。試験方法は、ヒートプローブを用いた非定常法であり、試験パラメータは、密度,飽和度,温度である。試験の結果、熱伝導率は飽和度に大きく依存し、乾燥密度1.41.8g/cm、飽和度約0.592%、温度100C以下の条件下では、約0.41.5W/(mK)、比熱は約0.41.3kJ/(kgK)であった。また、温度の熱伝導率及び比熱への影響は小さくほぼ一定の値を示した。
藤田 朝雄; 五月女 敦; 原 啓二
PNC TN8410 92-170, 84 Pages, 1992/06
高レベル廃棄物地層処分における緩衝材には止水性・核種吸着性・機械的安定性など多くの性能が要求される。現在までのところ、これらの要求性能の多くを満足するものとして圧縮べントナイトが有望な候補材料と考えられている。動燃事業団では、地層処分研究の一環として、人工バリア技術開発および性能評価の基礎データとするために緩衝材の特性に関する研究を進めている。本報告は、緩衝材としての圧縮ベントナイトの力学特性の把握を目的として、三軸圧縮試験を実施し圧縮ベントナイトの静的な応力条件下の変形特性、せん断特性やその密度、飽和度、温度依存性等に関するデータをまとめたものである。実験方法は、非圧密非排水(UU)三軸圧縮試験法であり、試験パラメータは、緩衝材の乾燥密度、飽和度、温度、ケイ砂含有率である。試験結果より、応力-ひずみ関係、破壊応力及び弾性係数は、乾燥密度、飽和度、温度、ケイ砂含有の有無に影響を受けることが示された。温度の影響は他のパラメータに比べ顕著には現れなかった。破壊時の包絡線は、今回の拘束圧レベルでは、モールの破壊包絡線で示すことができ、せん断特性を概略的に把握することができた。
鈴木 英明*; 柴田 雅博; 山形 順二*; 広瀬 郁朗; 寺門 一馬*
PNC TN8410 92-057, 96 Pages, 1992/03
高レベル放射性廃棄物地層処分における人工バリアのひとつに緩衝材があり、ベントナイトがその候補材料と考えられている。本報告においては、国産のベントナイト製品の中から山形県月布産のベントナイトについて、1.製品の組成、化学的な特性値等に関する調査および試験2.圧密成形した際の機械的強度、熱伝導率・膨潤圧力および透水係数を定量的に把握するため試験を実施した。その結果、機械的強度,熱伝導率,膨潤圧力および透水係数はいずれも乾燥密度の大きい方が、緩衝材として望ましい特性を示すことがわかった。また、ケイ砂の混合により熱伝導特性を向上させ得ることが明らかとなったが、混合率の決定にはケイ砂の混合による他の性能変化を併せて検討を行う必要があることがわかった。本試験の結果から、上記の各特性の値を定量的に示した。
原 啓二; 佐々木 憲明; 石川 博久; 藤田 朝雄; 佐藤 信二*
PNC TN8410 92-043, 31 Pages, 1992/03
緩衝材大型試験設備は、処分後のニアフィールドにおける緩衝材の性能を評価するため、人工バリア内で生じる熱-水-応力連成現象に関するデータの取得、施工技術の確立を目的としたもので、第一段階の加熱試験に引き続き、第二段階の試験として周辺岩盤からの浸透水の緩衝材中での移動とそれに伴い生じる熱-水-応力連成現象を調べることを目的に、加熱・部分注水試験を行った。試験により、緩衝材中での水の浸透とそれに伴う伝熱状況の変化等に関するデータが得られた。本報告書は、上記の加熱・部分注水試験の結果についてとりまとめて報告するものである。
島田 梢; 大岡 誠; 前川 康成; 富塚 千昭; 村上 知行*; 片桐 源一*; 尾崎 博*; 青柳 克弘*; 河村 弘
no journal, ,
プラント設備等の配管は、劣化や腐食、災害事故等により配管に亀裂が生じ、配管内を流れている液体が漏えいする。本研究グループでは、光硬化型樹脂を用いて遠隔で止水する方法を検討している。光硬化型樹脂は高速に硬化することから種々の材料表面のコーティング、改質等様々な分野で実用化されている。しかしながら、止水への適用例はない。そのため、水中に溶かした光硬化型樹脂の特性評価の一環として、硬化特性に及ぼす固形成分濃度と硬化開始紫外線量との関係について調査した。試験の結果、水分散系光硬化型樹脂が溶液環境下で紫外線照射によって硬化し、また、模擬亀裂から滴下する樹脂溶液が紫外線により硬化することを確認した。このことから光硬化型樹脂が止水に適用できる可能性が示された。
渥美 博行*; 升元 一彦*; 石井 智子*; 城 まゆみ*; 中山 雅; 大野 宏和
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物地層処分施設において、処分孔への地下水流入は緩衝材の流出をもたらし、人工バリアとしての機能に影響を与えることが懸念される。本稿では処分孔への地下水流入を低減させるグラウト等の工学的止水対策の効果について、解析的検討を行った結果について報告する。現実的な検討を行うために、幌延URLの実測調査データに基づき、割れ目をモデル化した水理地質構造モデルを構築することとし、割れ目ネットワークモデルによる解析的検討を行った。
松井 裕哉; 見掛 信一郎; 佐々木 定雄; 池田 幸喜
no journal, ,
本ポスターは、情報意見交換会のため、再冠水試験のために構築した止水壁の機能確認に係る成果を取りまとめたものである。
島田 梢; 富塚 千昭; 柴田 卓弥; 大岡 誠; 前川 康成*; 青柳 克弘*; 篠木 政利*; 片桐 源一*; 尾崎 博*; 小山 真一
no journal, ,
紫外線(UV)によって硬化する光硬化型樹脂(光樹脂)を流体に混入し、漏えい部で硬化させることによる、遠隔流体止水技術開発を進めている。本報は、水分散系光樹脂を改良して、UV照射量をパラメータとして硬化試験を行い、止水材料としての適用性を評価した結果を報告する。
田中 達也*; 戸谷 成寿*; 奥木 さくら*; 橋本 秀彌*; 松井 裕哉
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物の地層処分場に設置される可能性のある止水プラグには、掘削により地下坑道周辺岩盤中に形成される掘削損傷領域(EDZ: Excavation Damaged Zone)を介し大規模断層のような地上まで直結する物質移動経路を想定した場合の移動速度の遅延性能が求められる。しかし、そのような機能を満足するための合理的な設計手法は現状では確立されていない。このため、プラグの合理的な設計手法の構築に資することを目的とし、我が国の一般的な地質環境を想定して、プラグの幾何学的形状等が物質移動に与える影響を把握するための感度解析を実施した。なお、本報告は、「平成31年度高レベル放射性廃棄物等の地層処分に関する技術開発事業 地層処分施設閉鎖技術確証試験」の成果の一部である。
木村 駿; 武田 匡樹; 本島 貴之*; 壇 英恵*
no journal, ,
掘削損傷領域(EDZ)の連続性を遮断する目的で設置する止水プラグについて、坑道の側壁部や天端部に設ける切欠き部にベントナイト系材料を施工する方法の一つとして、吹付け工法の適用性を確認することは閉鎖技術の実証という観点で重要である。本報では、吹付け施工に係る特性データの取得のために実施した地上吹付け試験の結果について報告する。
壇 英恵*; 本島 貴之*; 木村 駿; 武田 匡樹
no journal, ,
粘土系材料が有するEDZのシーリング機能の検証を目的として、これまで、原位置透水試験に基づきベントナイトを用いた粘土止水壁の止水性能を検証してきた。本報では新たに実施した原位置透水試験と浸透流解析に基づき、粘土止水壁の止水性能およびその経時変化に関する評価結果について報告する。